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インフルエンザの種類と特徴
監修: 長崎大学名誉教授
愛野記念病院名誉院長  松本慶蔵 先生
インフルエンザウイルスは、人間の気道の粘膜細胞内で増殖します。そのため、インフルエンザウイルスの表面は、蛋白質の粘膜で覆われており、細胞に侵入するための突起がついています。インフルエンザウイルスは、この突起の形や、ウイルス内部の蛋白質の違いで、大きくA型、B型、C型に分類されます。
3種類のインフルエンザは、感染源や、流行のしかたなどが、それぞれ異なります。

種類 A型 B型 C型
性質 非常に変異しやすい。
ロシアかぜ(H1N1)や香港かぜ(H3N2)などのほか、最近ヒトへの感染が懸念されている鳥インフルエンザ(H5N1)もA型に分類される。全体の約58%を占める。
変異しにくい。
臨床症状からはA型とB型の区別はできず、A型と同様、ヒトインフルエンザの病原体として重要である。
変異しにくい。
A型とB型が共通して持っている、HAとNAという二種類のスパイクがなく、その代わりにHE(ヘマグルチニン?エステラーゼ)と呼ばれる、HAとNAの両方の役割を演じる一種類のスパイクタンパク質を有する。


毎年流行するほか、爆発的な大流行がある。 散発的に小流行を繰り返す(最近は2年に1度流行する傾向にある)。
A型に比べて流行の規模は小さい。
単発的な大きな流行はおこさない。
季節によらず5歳以下の小児に感染し、鼻汁過多を特徴とする鼻かぜ様の症状を呈する。

ウイルス表面のHAとNAの抗原性の違いによって、多くの亜科が存在する(HAの16種類とNAの9種類の全ての組み合わせが可能)。 亜科は存在しないが、山形系統株とビクトリア系統株の2系統に分かれる。 亜科は存在しない。

HAタンパクと NAタンパク質に不連続的かつ突発的な異変が生じると、従来の型と全く異なる新型インフルエンザとして現われるので、対応にも困難が生じ、世界的な流行となり得る。 HA及びNAタンパク質による連続的な異変が認められる。 HE分子内のアミノ酸の変化に伴う連続変異だけが認められる。


細菌性の肺炎を高率に併発するため高齢者は死亡するケースもある。強い伝播性がある為一度流行すると広域に広まる。 一般にA型よりも症状が軽いと言われているが、脳症など重篤な合併症を起こすこともある。 ほとんどが乳幼児期に感染するが症状が現れないことも多い。
免疫は長期間に亘って持続し、一度かかると一生持続する場合が多く。二度かかることは極めて稀である。小児期にほとんど全ての人が感染するが、この時期に感染しなかった場合には成人にも感染することがある。


■流行の秘密は
インフルエンザウイルスは1年中いるのに、どうして冬になるとインフルエンザが流行するのでしょう。これにはいくつかの理由が挙げられます。まず、インフルエンザウイルスにとって温度20度前後、湿度20%前後が最も生存に適した環境で、長時間空気中に漂っていられます。冬の気象条件はウイルスにとって非常に都合が良いのです。一方、人側の要因として、寒いところでは、鼻・のど・気管などの血管が収縮して線毛の動きが鈍くなります。線毛はウイルスや細菌の侵入をできるだけ少なくする働きをしますので、線毛の働きが悪くなるとウイルスが侵入しやすくなります。さらに、冬は窓を閉め切った部屋にいることが多くなりますので、中に患者が一人でもいて、せきやくしゃみでウイルスをまき散らせば容易にうつるのです。ウイルスが気道粘膜に取り付くと猛スピードで増殖し、16時間後には1万個に、24時間後には100万個に増えて粘膜細胞を破壊し始めます。そのため、インフルエンザの潜伏期は非常に短く、短期間で大流行を引きおこしてしまいます。また、特定のウイルスに感染して回復すると人間の体にはそのウイルスに対する抗体ができて、2度と感染しないのが普通ですが、インフルエンザに何度もかかるのはウイルス側が生き延びるために遺伝子の配列を少しずつ変え、免疫の網の目をくぐりぬけようとするからです。


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